一級建築士の鶴見哲也です。石川県金沢市を拠点に、全国で建築写真家として竣工写真を撮影しています。元々は、公共物件中心の設計事務所で4年3ヶ月、注文住宅の住宅会社(工務店)で4年3ヶ月、計8年半設計の仕事をしていました。写真は一級建築士を取り終えた2012年頃から本格的にはじめ、風景写真や音楽イベント写真を中心に撮影。いくつかのコンテストで受賞経験もあります。

 建築写真を撮り始めたのは、設計事務所時代にさかのぼります。長い時間をかけて設計、監理した物件の竣工写真が、どこか“いまいち”で、納得いかないものは自身で再撮影していました。これは非常に手間で、なおかつ時間は取り返せない。そこで“いまいち”な理由を考えたところ、写真に設計士や現場監督、職人の意図が表現されていないことに気付きました。当時よく撮影していた写真家は、写真のプロであって、建築のプロではなかったため、意図を読み取り表現することが苦手だった、またはその考えがなかったのだと思います。

 住宅会社に転職してからは、写真が持つ広告的な意味の大きさを強く感じました。常設展示場を持たなかったため、お客様が最初に見るのがHPや雑誌に掲載している写真です。その写真が“いまいち”では、誰もお願いしようと思いません。内見会に集客する際も同じで、チラシやweb広告のイメージが“いまいち”だと、どれだけいい住まいでも見ていただけません。プロモーション力が営業力に大きく影響する住宅業界においては、写真の良し悪しの差はより大きい。その良し悪しは、写真に意図が表現されているかどうかです。対角線でパースの効いたただ広い写真ではなく、なぜ広いのかという設計意図がくみ取られた写真が求められます。

 設計事務所、住宅会社の経験踏まえて、誰かにお願いするよりも自身で撮る方が、良い写真や必要な写真が残せると考えるようになりました。なぜなら、建築士として空間を読み解く力があり、意図を引き出せるからです。写真の技術は、撮影実績をご覧いただき判断いただければと思います。

 設計意図が表現された意味のある竣工写真を、私と一緒に会社の財産として築いていきましょう。

<受賞・出展・掲載等>
2016:中田ヤスタカプロデュースの音楽フェスOTONOKO2016公式撮影
2017:マルタ共和国日本の風景写真コンテスト【優秀賞】
2017:百万石音楽祭2017~ミリオンロックフェスティバル〜公式撮影
2017:第13回緑あふれる金沢写真コンテスト【優秀賞】
2017:倶利伽羅不動尊万灯会フォトコンテスト【準グランプリ】
2017:中田ヤスタカプロデュースの音楽フェスOTONOKO2017公式撮影
2017:奥能登国際芸術祭2017(公式記録集)に掲載 青い舟小屋/眞壁陸二
2018:五箇山フォトコンテスト【優秀賞】
2018:CP+2018にてEIZO株式会社ブースに金沢写真部FOCUS部員として登壇
2018:百万石音楽祭2018~ミリオンロックフェスティバル〜公式撮影
2018:中田ヤスタカプロデュースの音楽フェスOTONOKO2018公式撮影

2017年、当時のマルタ共和国大統領マリールイズ・コレイロ・プレカ(Marie Louise Coleiro Preca)氏から表彰状を受け取る
2017年、マルタ共和国日本の風景写真コンテスト受賞作品