設計:安藤建築事務所 (Instagram:@ando_kenchiku)
場所:石川県
撮影:鶴見哲也(Life is wonder)
ここまで大胆に下見板張りを用いた住宅を久しぶりに見たというのが、この住まいを撮りに行った最初の印象。
それが少し小高い丘の上にあるので、新興住宅地の中でも象徴的な存在感を放っていました。
室内に入って驚いたのが、レンガの塊のセンターコア。
センターコアの中には浴室、トイレ、収納が収められていて、周囲をぐるっと回遊できるようになっていた。
機能のコアをつくる手法は、どの部屋も窓に直接面したい要望の多さから、住宅ではあまり見かけない。
しかし、今時は換気扇で十分湿気や臭気を逃がすことができ、そもそも断熱性能が一定水準以上であれば、窓を開けない方が高効率な時代に入っている。
浴室もトイレも窓に面しなければいけないという、神話のような通例を超えた所に、面白い空間が生まれると改めて考えさせられた。
レンガのコアを中心に、玄関、LDK、洗面脱衣室と回遊できるので、機能的な動線計画も秀逸である。
2階の個室に入ると、廊下に向けて両開きの窓が取り付けられている。
そこを開けると、吹き抜けの大開口越しに近隣の木々の借景が望める。
どの部屋にいても、吹き抜けを通じた開放感があり、心地良い暮らしが広がると想像できた。
以上のことから、建築写真の撮影のポイントはこちら。
・小高い丘であることを表現するため、あえて外観はあおりを若干残している
・内部は主役となるレンガのコアと、コアを中心に回遊できる様子がわかるよう構図をつくる
・景色の良い内部の窓は、ズームレンズで象徴的に切り撮る
(※コメントは、建築写真家として捉えた私見です)
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