1.建築写真の必要性

建築って完成するまで全体像が分からないもの。
各仕上げのサンプルやイメージパース、図面等の資料でクライアントに提案し、共感を得て一緒に完成に向かっていきます。
では、クライアントはどうやって設計事務所や施工会社を選ぶのか?
それは過去の実績を見て選びます。
過去の実績を示すために、今までの仕事を見てもらうことが最も良いででしょう。
しかし、そこに住んでいる人や働いている人、企業自身等の都合によって見れない場合が多い。
そこで必要になってくるのが、建築写真です。
WebサイトやSNSに写真をアップしたり、雑誌に掲載したり、コンテストに使ったり、写真を駆使してクライアントに自分たちの仕事を知ってもらいます。
建築写真は、設計事務所や施工会社にとって最も有効な広告宣伝ツールです。

2.建築写真に必要な能力

写真ってカメラの使い方、現像の仕方、成果品(アルバム等)のまとめ方を知っていたらいいのか?と言われると、それは違います。
カメラの使い方や現像の仕方等は、ただの道具の使い方なだけであって、必要な職能はその道具を使ってどう表現するかということです。
建築写真に必要な表現というのが、設計意図を読み解き、再現すること。
そのためには建築空間というものを知っている必要があります。
または、知っていることを超越するセンスでも構いません。
ちなみに私は、前者の建築空間を知っている人です。
だって設計をしていた一級建築士ですから。

3.空間を知っている写真家が不足している地方都市

地方都市では、建築写真を専門にしている写真家がほとんどいません。
おそらく、それだけでご飯を食べていけるほど十分な仕事が無いからだと考えられます。
工務店や設計事務所はどこに頼んでいいか分からなかったり、広告代理店や雑誌社が段取りしたカメラマンの写真を購入して、自社のHPに掲載している場合が多いです。
それらは「建築写真」とは言えない「広告写真」で、毎回スケジュールが空いているカメラマンが呼ばれるため、仕上がりの雰囲気もバラバラ。
最も有効な広告宣伝ツールで、設計意図が再現されていなくて、仕上がりの雰囲気がバラバラで、お客さんに企業の魅力を伝えられるでしょうか?
それは難しいですよね。
首都圏には建築写真を専門とした素晴らしい写真家がいます。
しかし毎回出張費を払って呼べる経費の余裕も無くて、真剣に自分たちの建築の魅力をお客さんに伝えたいと考えている設計事務所や工務店は頭を抱えている。
建築空間を知っている写真家が、地方都市には見当たらないんです。

4.考えるよりとりあえず行動してみる

建築士として働いているなかで、業者さんから完成写真が納品される度に、全然良くいと頭をかかえる日々が続きました。
普通の人よりも写真が撮れるし、設計士としてまた建築好きの建築ヲタクの一人として設計意図を読み解くのは得意。
そっかぁ〜自分で撮ればいいのか(笑)
当時の上司に、業者さんからあがってきた写真と自分の写真を混ぜてHP掲載をどれにするか相談したところ、見事に自分が撮った写真が選ばれました。
自分の持っている能力を組み合わせれば、何か新しい価値が生まれることに気付いた瞬間です。
僕なら地方都市から建築を発信する人を救えるのかもしれない。
だから一級建築士である私が、建築写真を撮るのです。

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