1.カメラボディ

カメラボディは、NikonD750を使用しています。
一眼レフカメラで、初めて買ったのがNikonでした。
その後、ずっとメーカーを変えていないだけなので、Nikonであるこれと言った理由はありません。
カメラボディにはフルサイズ、APS-C、マイクロフォーサーズとセンサーのサイズによって違いがあります。
広角かつ高解像度の描画を求め、センサーサイズの大きなフルサイズを使用。
機材トラブル防止のため、同じボディを2台準備して撮影に挑みます。

2.レンズ

レンズは、主にこの2本で撮影しています。
SIGMA 12-24mm F4 DG HSM
AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED
室内はSIGMAの広角、外観はNikonの標準レンズを使用しています。
なぜ純正とサードパーティーを使い分けているかというと、SIGMAの当該レンズはゆがみが非常に少ないからです。
Photoshopで補正しますが、撮影データ自体のゆがみが少ない方がいいので使用しています。
「建築写真専用シフトレンズを使えばいいのでは?」
という意見もありますが、建築写真以外の仕事への使い勝手を考えると、SIGMAのレンズが性能とコストのバランスが良いでしょう。
また標準レンズを外観に使う理由は、広角でパースが効いた写真よりも、目で見た印象に近い標準域の画角の方がしっくりくるからです。
建物と道路の距離感が足りない狭い場所では、広角レンズで外観も撮ります。

3.三脚

三脚はManfrottoのものを使っています。
三脚は正直1500mmの人のアイレベルぐらいの高さのものであれば何でもいいのですが、2点だけこだわりがあります。
・室内用と室外用の2本持つこと
・室内用には椅子やテーブル用の靴下をはかせること
建築写真で一番配慮するのは、床や壁への傷です。
傷や汚れをつけると、設計や施工会社に迷惑をかけることになります。
最善の注意を払うために、室内外で三脚を使い分け、室内用には靴下をはかせる対応。
靴下ではなくテニスボールをつけている人も見かけたことがありますが、家具用の靴下は100均でも売っていてリーズナブルなのでオススメです。

4.レリーズ

三脚にカメラをのせ、感度はノイズが少ないISO100、絞りは絞って(F14以上)、シャッタースピードを遅く撮影するので、レリーズもが必須です。
タイムラプスのように数秒おきに撮影するようなことはないので、タイマー機能は不要で、ボタンが押せればそれで十分です。
最近はwi-fiを用いてスマホのアプリからシャッターを押すこともできますが、スマホもカメラ自体もバッテリーの消費が激しくなるため、あまりオススメはできません。

5.フィルター

光の加減によってPLフィルターを使っています。
使う理由は、ガラスへの映り込みを軽減するためです。
広角レンズの場合は出目金レンズと言って、レンズが半円状に飛び出しているので、角型フィルターを用います。
標準レンズはレンズの前面がフラットなので、通常の円形のものを装着。
PLフィルターを用いることで、ガラスへの映り込みを軽減できる他に、青空をより青く鮮明にできる効果もあり、より美しい描写が期待できます。

6.A4程度の大きさの板

逆光撮影時、どうしてもゴーストが出てしまいます。
また、室内でもスポットライトやダウンライトで光源がむき出しになっている場合、ゴーストが発生しやすいです。
ゴースト防止には、光源を隠さなければなりません。
そのためハレ切り用の板を準備しています。
板は軽くて持ちやすければ何でもいいので、その時車に積んでいる本を使ったり、テーブルフォトに用いるレフ板用のボードを使っています。
本当は黒くて、光を反射しない板が効果的ですが、最近のレンズは優秀でゴーストが出にくいので、光源さえ隠せれば問題ありません。

7.ブロアー

建築写真は完成時に撮影することが多く、工事が終わったばかりだと細かなホコリが宙を舞っています。
レンズにゴミが付着しやすい環境です。
そのため数カット撮って、ブロアーでレンズ表面のホコリを落としながら撮影をします。
無くても大丈夫ですが、PhotoshopやLightroomで編集する際にホコリを消す作業が手間なので、その作業軽減のために有効な作業です。

8.脚立

外観撮影時に、少しアイレベルを高くしたい時があります。
歪みを少なくするために、建物の高さの中心で撮ることが有利です。
その際、自分の身長よりも高い位置からの撮影になるので、脚立があると便利です。
個人的には人が立った時の目線の高さで撮りたいので使用頻度は低いですが、何かあった時のために車に積んでいます。

9.まとめ

以上、私が建築写真を撮影する際の基本機材です。
現場によっては望遠のレンズを持って行ったり、空間の雰囲気を出すための小さなインテリアグッズを持参する場合もあります。
撮影の仕事は段取り八分なので、事前準備を入念にすることがオススメ。
必要なものを割り出せるように、クライアントへのヒアリングを怠らずに行いましょう。
また、読んでいて伝わってきたと思いますが、実は機材に対して強いこだわりはありません。
最低限の機能さえ満たしていれば、何でも良いと思っています。
大切なのは建築を見る目、向き合う気持ち、意図を汲み取る力です。
本業が建築士だから持ち合わせているこれらの特徴を活かして、これからも建築写真撮影頑張ります。

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