設計:株式会社JA建設エナジー
場所:石川県
撮影:鶴見哲也(Life is wonder)
※スライドでbefore-afterを比較可能
増改築を繰り返し、最も古い部分は築100年程度経過している古民家のリノベーション。
リノベ前後の様子がわかるように、図面から完成予想ができる設計士の職能を活かして、工事前と工事後を構図を合わせて撮影している。
とにかく柱や梁が立派で、現代の住まいでこのような大断面の材料を使えないだろう。
広間をLDKにリノベーションしているわけだが、半分は梁表し、半分は一般的な高さの天井にしたことで、大空間にメリハリが生まれている。
低い所があるからこそ、高い所の開放感が際立つ。
しかし、天井は高いが開口部は少ないこの空間。
そこで、LDKと玄関の間、内部建具の上部にFIX窓を設置し、うまく視線を抜いて開放感を演出している。
太い梁が貫通しているようにも見え、空間の一体感も感じられる。
この開放的な空間に合うよう、照明は壁の間接照明と大きな丸のペンダントライトでシンプル。
照明器具の数が多いと空間を邪魔する可能性があるので、数を絞って部屋の明暗をある程度許容するのは良い選択だと私は思う。
外観は少し減築し、電動シャッター付きのインナーガレージとなっている。
瓦屋根はそのまま利用しており、痛んでいた外壁は無塗装のサイディングに吹付け塗装とガルバリウム鋼板で、シンプルに改装。
落ち着いた雰囲気の佇まいになっている。
全て直し切るのではなく、残せる所は残す。
残した既存部分が美しく見えるよう、新しい仕上げはシンプル。
100年間刻まれた経年変化の美しさを活かした、リノベーションらしいデザインだ。
以上のことから、建築写真の撮影のポイントはこちら。
・図面から完成予想ができる設計士の職能を活かしてbefore-afterを同じ構図で撮影
・開放感がわかるよう内部のFIX窓の抜け感を意識
・窓が少なく薄暗いので、昼間だけど照明を点け、生活の実状に合わせる
(※コメントは、建築写真家として捉えた私見です)
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