設計:鶴見哲也
場所:石川県金沢市
掲載:SUUMO(スーモ)リフォーム2020年3月号【保存版】リフォーム大全
撮影:鶴見哲也(Life is wonder

石川県金沢市の古民家リノベーション住宅の建築写真(設計:鶴見哲也)

 

石川県金沢市の古民家リノベーション住宅の工事前建築写真(設計:鶴見哲也)

石川県金沢市の古民家リノベーション住宅の建築写真(設計:鶴見哲也)

 

石川県金沢市の古民家リノベーション住宅の工事前建築写真(設計:鶴見哲也)

石川県金沢市の古民家リノベーション住宅の建築写真(設計:鶴見哲也)

 

石川県金沢市の古民家リノベーション住宅の工事前建築写真(設計:鶴見哲也)

石川県金沢市の古民家リノベーション住宅の建築写真(設計:鶴見哲也)

 

石川県金沢市の古民家リノベーション住宅の工事前建築写真(設計:鶴見哲也)

石川県金沢市の古民家リノベーション住宅の建築写真(設計:鶴見哲也)

 

石川県金沢市の古民家リノベーション住宅の工事前建築写真(設計:鶴見哲也)

石川県金沢市の古民家リノベーション住宅の建築写真(設計:鶴見哲也)

 

石川県金沢市の古民家リノベーション住宅の工事前建築写真(設計:鶴見哲也)

石川県金沢市の古民家リノベーション住宅の建築写真(設計:鶴見哲也)

これは、私の自邸だ。
自分で設計、現場管理、撮影を行った。
そもそも住まいをリノベーションで取得しようと思ったのは、妻が写真家として独立し、写真スタジオが欲しくなったからだ。
当時、1LDKで家賃65,000円ぐらいのアパートに暮らしていて、それと別にスタジオや事務所となるテナントを借りるのが勿体ないと思った。
それを機に、思い付きのように中古物件を探し、上手く見つかったからトントン拍子で話が進み、構想から7ヶ月後に引っ越しした。
妻の写真スタジオのお仕事や、この住まいの設計過程について詳しく知りたい方は、LINKページからブログをご覧ください。

https://photographer.renovation-life.com/link

設計者として、簡単に概要だけ説明する。
この住まいのこだわりは、既存古民家の魅力を可能な限り残しながら、断熱性能を超高性能に高めることだ。
私たち夫婦が感じた既存の魅力は、珍しい緑色の聚楽壁、雪見障子、長押や欄間といった和のしつらえである。
どこか懐かしく、落ち着く。
その印象そのままに、可能な限り残して、再利用した。
残し方のルールとして、経年変化を美しさと捉え、再塗装で無理にきれいにすることをしなかった。
そして、新しく採用する仕上げは、残すものに合わせることに徹した。
緑色の聚楽壁に合うよう新しい壁は左官で仕上げ、既存の木部を見せるため床は無垢材を採用。
同じ仕上げ方法、素材感で統一感を図った。
また、間取りが田の字型で、柱を抜かなくても簡単にLDK形式に間取り変更できるのがよかった。
仏間と台所の間仕切りを撤去し、18畳のLDKができ、6畳の和室は洋室化し寝室に。
縁側は内装をきれいにしそのまま残した。
縁側は、外部との中間領域としてその本来の持つ意味や機能を活かして、生活に取り込んでいる。
外を感じたいと時は、障子を開けて一体的に。
プライバシーを確保したり、温熱環境を整えるために気積を小さくしたい時は、障子を閉めて利用。
だから、庭の掃き出し窓には、あえてカーテンをつけず、障子によってプライバシーをコントロールしている。
昼間にあえて障子を閉めると、反射光によるなんだか心地良い空間になるのもお気に入りだ。
ダイニングテーブルの天板は、既存の床の間を再利用。
この住まいに元からあった材料のため、自然と雰囲気に合う。
新しいテーブルは傷をつけないように気をつけるものだが、50年間の経年変化の中で傷ついているので、気兼ねなく利用できるメリットもあった。
そして、メインの写真スタジオは、既存を活かすどうこうは考えず、写真をいかにきれいに撮れるかに特化している。
専用塗料で仕上げられた真っ白な空間で、天井は2.85mと家族写真を撮るには十分な広さだ。
玄関は普通の住宅の雰囲気なので、来店したお客さんは「こんなスタジオがあるだなんて想像できない」といつも驚いている。
築50年の住宅でも、リノベーションの工夫でオシャレな雰囲気にできるし、断熱性能が高い快適な暮らしもできる。
光熱費は、オール電化で年間電気代115,000円とかなりお得。
24時間冷暖房つけっぱなしのもこの値段なので、性能の高さは抜群。
納得のいくリノベーション住宅を設計することができた。

撮影のご相談やお問い合わせはこちらから。